サッカー観戦記

[広島スタジアムバックスタンドより]

約20年ぶりにこの部屋を復活します。
サンフレッチェ広島の試合を中心に、日本代表やその他海外の試合の観戦記です。
40年間少年サッカーの世界で指導者、監督を経験してきた視点で感想を書きます。

平日の試合は時間的にきびしいため週末の試合にかぎり観戦記を書きます。

その他のテレビ観戦やサッカー界あれこれの感想はこちらです。
もちろん乱入も大歓迎で〜す(^○^)


サッカーな日々


【2024/5/3】

[J1]新潟 1−1 広島

またまた「勝ち点3」を放棄かよ。こりゃ、今シーズンの優勝はないな。

■得点
広島 70分 CK→荒木
新潟 94分 高木

     ピエロス
  加藤      満田
越道  松本  東   中野
  佐々木 荒木  塩谷
      大迫

■交代
46分 越道→マルコス
63分 中野→新井
77分 ピエロス→志知

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・B
あ〜あ、だよ。またパンチングのミスがあったし、なんか「大迫なら止めれる」って感じがしない。あんなラストプレー1回で仕留められるとは。今の大迫に代表へ送り出すようなカリスマ性はない。

CB荒木・・・A
得点も決めたし、大きなミスもない。荒木には問題はない。

CB塩谷・・・C
ちょっとどうなの?なんか「サボって」ない?ほとんどヘディングの競り合いしてないでしょ。相手に体ぶつけて、体を抑えただけ。こぼれ球を荒木が対応しているものの、そこに走りこんできた選手に危ないシーンを作られている。試合最終盤、相手のクロスを後頭部に受けたのも、ボールに背を向けたプレーは褒められるものじゃない。なんかああいう怠慢に見えるプレーが、最後の失点につながってしまったように感じてしまう。「勝利の女神」はああいうのがお嫌いでは?だからせっかくカバーしたのにクリアが中途半端になって高木のシュートを食らった。サイドラインを割るくらい思いっきりクリアしていればあの失点はなかった。失点直前に全力で広島の縦パスをカットした高木に「勝利の女神」は微笑んだような気がしてならない。

CB佐々木・・・C
う〜ん、最後のクロス入れさせてしまったからな。空中戦は勝ってたのに。1人少ない新潟は「個」で局面を打開するしかなかったが、その「個」で打開されてしまった。あの時間帯はクロスも入れさせちゃダメでしょ。なんだかなあ。

DH東・・・B
彼のボランチは好きではない。神戸戦も感じたのだけど、中盤の空中戦を競ろうとしない。ボールを落としてしまって、そこから相手にチャンスを与えてしまう。サイドの東は好きだけど・・・。で、結果的には東をボランチに戻して失点した。

DH松本・・・A
いつも通りではあったが、効果的なプレーはなかった。それは「シュート14本」という数字に表れている。これまでの試合は、普通に20本くらいのシュート数があった。最後の崩しとか、バイタルやペナ付近の連係がよくなかった証拠だろう。パスや飛び出しだけでなく、彼自身がミドルシュートを撃つ意識を上げて、相手によってはスタイルを変えれるようになってほしい。

SB越道・・・B
悪くはないんだけど、右サイドよりは「スムーズさ」がなかった。右だと、もっとゴリゴリいってるイメージがある。左足でもいいクロスは上げていたのだけど、それだけでは得点は難しい。

SB中野・・・B
久々の右サイドだったけど、相手が10人になったことで引かれてしまい、前に出るスペースがなくなってしまった。逆にやりにくくなった感がある。

OH加藤・・・B
ほとんどシュートがなかった。ほとんどボールに触れなかった。やはりピエロスとでは厳しいか。

OH満田・・・B
彼を中心にボールは回っていたけれど、「コンダクター」というほどではなかった。あれだけ引かれると「縦につける」のも難しい。ならばミドルシュートだが、あの1本しかなかった。

FWピエロス・・・C
たぶん一番多くシュートを撃ってるのはピエロスだと思う。が、実態は「シュート」というよりは「当てただけ」が多い。さらに後ろから荒木が飛び込んできているのにピエロスが触って「クリア」したようなシーンもあった。ちゃんと見てないが、他にも加藤がフリーだったようなシーンもあったのでは?ともかく、あれでは期待するのは難しい。それでもスキッペが連れてきた選手だから、信頼は厚いんだろう。残念ながら、ピエロスが先発する今シーズンの優勝はないよ。

MFマルコス・・・B
なんかあまりボールタッチできなかった。ああいう展開では仕方ないのかもしれないけど。マルコスのドリブルを期待したんだけどな。そういう形すら作れなかった。

SB新井・・・A
今までにないような積極的なプレーが見られた。古巣との対戦で、心に期すものがあったのだろう。いいクロスも入ってたんだけどなあ。残念だ。

SB志知・・・A
もっと縦に仕掛けてもよかったのでは。コンビネーションで崩すのは理想だけど、あそこまで引かれてしまうとワンツーをするスペースすらない。そういう時は、やっぱ1人で局面を打開するドリブルになる。まったく可能性がなかったはずの新潟は、あのワンプレーでドリブルで広島守備陣を崩してしまった。志知には東とは違うそういうプレーを期待したい。

2.全体の感想

ここまで「勝ち点3」を放棄するような戦いをやってしまうと考える。誰が悪いんだ。何が悪いんだ。言いたくはないけど、やっぱ「精神的なもの」じゃね?

大事なところでミスが出る。大事なところで中途半端なプレーをする。相手をナメてるわけじゃないけど、「この程度でいいっか」みたいなプレーが散見される。スキッペは「ミスを恐れずドンドンいけ」と選手の背中を押してるけど、期待通りにプレーしてるか?もう一度点検したら?

なんとなく「自分たちのサッカーをやってりゃ勝てる」と考えてんじゃない?よくあるんだよ、監督をやってると。でも、実際はそうじゃない。サッカーは必ず相手があって成立する。毎回同じ相手でもない。「自分たちのサッカー」に「持ち込む」ための「駆け引き」が重要になるんだけど、相手を無視したサッカーをやってしまうことがある。それは違うよ。

相手は1人少なく10人になった。だったら、カウンターにはならない。今度は引いた相手を崩すサッカーにシフトチェンジする必要がある。それなのに、ミドルシュートがない。何度もバイタルまでボールを運んでるのに、ミドルは満田の1本だけ。最後まで「きれいごと」をやり続けた。

チームとしてのベースはできてるし、選手の質も高い。まあ適当にやっても「残留争い」に巻き込まれる可能性はゼロに近い。が、「優勝争い」は無理だ。選手に「気持ち」を感じない。ロボットがサッカーしてる感じがする。

たぶん思い違いだと思うけど、スキッペの「好き嫌い」が激しすぎる。なぜ東をボランチでスタートする?毎回言ってるけど、野津田がいるじゃん。東をボランチで使いたいから、越道をわざわざ左に回して先発させた。だったら、志知でスタートすればいいじゃん。塩谷は疲れなのかあんなパフォーマンスしか出せないなら、中野を下げてCBで起用すればいいじゃん。試合に出たくてウズウズしてるベンチメンバーを起用せず、「お気に入り」の選手だけで戦おうとするのか。

この日のメンバーで戦うとして、塩谷が連戦で疲れてるとしたら・・・私ならこういう先発メンバーを組む。

      加藤
  マルコス    満田
東   松本  野津田 越道
  佐々木 荒木  中野
      大迫

ケガ明けのマルコスを休ませるため、ピエロスを入れて加藤を1列下げる。ピエロスを投入するまでにリードできていれば一番いい。また消耗の激しい両サイドは途中で志知と新井に交代させる。最後に守備固めで経験豊富な塩谷で試合を終わらせる。

     ピエロス
  加藤      満田
志知  松本  野津田 新井
  佐々木 荒木  塩谷
      大迫

試合終盤、満田や加藤の走力が落ちてくれば、中島や井上の高校生コンビを投入する。そういうシナリオを、私なら準備する。

どっちにせよ、また「勝ち点3」を放棄した。4試合続けて「ドロー」だぜ。「1勝1分2敗」と同じじゃん。しかも、やっと「勝ったな」と思ったアディショナルタイムに追いつかれるとは。新潟の選手たちは1人少ない10人になっても、2万5000人の観客の応援に応えようと「必死に」戦っていたのはビンビン伝わってきた。それに対してサンフレッチェの選手たちはどうだったんだ?「必死さ」なんて全然伝わんなかったぞ。町田のサッカーは好きじゃないけど、町田の選手たち方が優勝に値するぜ。ホンマ、やっとれんわ!


【2024/4/28】

[J1]広島 2−2 川崎

レフリーと大迫によって「勝ち点3」を奪われた試合だった。

■得点
広島 38分 佐々木→大橋
川崎 65分 小林
川崎 74分 山田
広島 75分 満田→加藤

      大橋
  マルコス    加藤
東   松本  満田  越道
  佐々木 中野  塩谷
      大迫

■交代
66分 マルコス→ピエロス
70分 越道→新井
86分 東→志知
86分 松本→野津田

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・C
「なにやってんだ」って感じ。1回ならともかく2回も1試合でミスするか?セットプレーで飛び出したのに触れずに小林に押し込まれた。「もし」ステイしていたら小林のシュートは正面で防げた。2回目はペナルティアーク付近のクリアをミスって、佐々木に対する家長のファールアタックを審判団はVARチェックもせずに流した挙句に決められた。グダグダじゃん。相手の上福元は、前節札幌の菅野同様に「神ってる」状態でピンチを防ぎまくった。マジ、いいかげんにしろや!

CB中野・・・B
何度かハイボールの競り合いや体の入れ合いで負けて、GKと1対1を作られた。ああいうのはゼロにしないと。「入れ替わられる」のだけは絶対にダメだ。そろそろ「研修期間」は終わりだよ。

CB塩谷・・・B
あのスライディングでファールを与えたシーンが悔やまれる。あそこまでチャレンジするシーンではなかっただけに、もったいない。あのフリーキックから失点が生まれてしまった。残念だ。

CB佐々木・・・A
ファールをもらいに行ったようには見えなかった。ジャンプする瞬間、家長は佐々木の背中に対してヒジを当てた。家長からするとファールにならなかったら「ラッキー」くらいの意識でアタックしたはず。主審が見逃したのはまだ許せるとしても、VARがまったく介入しないのは許せない。あんなのがノーファールなら、これから「やったもん勝ち」になるではないか。サンフレッチェ広島のチームとして、JFAへ徹底抗議するべきだ。佐々木のクロスから得点が生まれただけに、悔しすぎる。

DH満田・・・A
まだまだ不安定なところはあるけれど、かなり「いい時」の満田に戻ってきた感じ。前3人との連係も問題なかった。加藤へのクロスも見事だったし。こういうパフォーマンスを続けてほしい。

DH松本・・・A
相変わらず攻守にすばらしい。ゴール前で何度もチャンスに絡んでいたし。あの大橋の「落とし」からのシュートは決めたかったなあ。上福元の「指先」にやられた。

SB東・・・A
あれを止められるんか。上福元は「神」だったな。後半は連戦の影響で動きが落ちた。まあ、しかたない。

SB越道・・・A
ミッドウィークのルヴァン杯のハイライトを見た。キレてたなあ。で、「重戦車」のようだった。この日も「縦への推進力」はよかった。続けてほしい。

OH加藤・・・A
やっと「初日」が出た。それが、この試合唯一の収穫。加藤の良さは、ボールタッチ直後のボディアクション。この「動き」で相手が「逆」を取られるシーンが多い。さあ、ここからゴールを量産していこう。

OHマルコス・・・A
やっぱ存在感ある。大橋、加藤との連係も問題なし。まだ90分は難しいだろうけど、コンディションを上げてゴールを奪ってほしい。

FW大橋・・・S
いや〜、3点奪えてたよな、上福元じゃなけりゃ。前節の菅野の奇跡的なショットストップも含めると、この2試合で5点は上乗せできてる。そうすりゃ、10点のジャーメインより上だったのに〜!シュートミスではない。GKを称えるしかない。

FWピエロス・・・C
なんか好きになれんな。あのまま「大橋なら」この試合は勝ててたようにも思う。スキルとかではなく、ピエロスに「ボールが集まる」感じがしない。ていうか、「大橋の1トップ」を崩してまでピエロスを使おうとは思わないが。

SB新井・・・B
悪くはないが、越道と比較するとインパクトが少ない。ただ安定感はある。

SB志知・・・A
彼らしい「いやらしい」ボールを提供できていた。仕事は「やった」のではないか。

DH野津田・・・A
なんかやっとプレーが見えた。よかったと思う。野津田と満田の関係は好きなんだよなあ。あとは、せっかく試合に出たのだからミドルシュートはノルマで1本はほしいな。

2.全体の感想

なんか腹立つ。完全に「勝ち点2を奪われた」気分。せっかく前日に上位チームが揃って「足踏み」してくれただけに、「勝ち点3」を上積みできたら「首位」に立てるチャンスだった。先制できたから、余計にその気分が高まっていたところで・・・あの大迫のミス2連発。あ〜、ムカつく。

それにしても前節に引き続いて「相手GK」に神が宿るんだよ。どう考えてもおかしい。あんなの止めれるわけないじゃん。どうして止まるんだよ。意味わかんない。やっぱ「お祓い」に行った方がいい。

試合内容はメチャメチャおもしろかった。解説の松井大輔が、ずっと「強い」と絶賛していた。その気持ちわかる。あの流れるような攻撃は、ホントに美しいし、すごい。ああやってワンタッチ、ツータッチでここまでボールを動かしているチームは、このJ1にはいない。おそらく誰が見ても感動できる。それだけに・・・勝たんかい!

相手GKを褒めるしかないけど・・・もっと気楽に試合観戦させてくれ。選手もグッタリだけど、DAZN観戦してるこっちまでグッタリだぞ。毎試合毎試合、DAZN観戦するだけでここまで疲れるのか。「ぜいたくな悩み」と言われればそうなんだろうけどね。


【2024/4/20】

[J1]札幌 1−1 広島

最近DAZNの設定変わったのかなあ。試合途中から視聴する場合、以前は「ライブで見る」「最初から見る」を選択できたはずなんだけど。前節、15時くらいに帰宅して結果を知らないように観ようと思ってたんだけど・・・いきなり途中経過が見えてしまった。この日は世羅へチューリップを見に行ってたので、DAZNのライブ中継が終わるまで他の試合を観ながら待った。

札幌サポーターには悪いけど、高校生と中学生が試合をしてる感じだった。シュート22本、枠内シュート6本・・・攻撃練習か、と。それでも「どんだけ撃ったら入るねん」状態。

で、一番感じたのは「このチームの命運は満田にかかっている」ということ。

■得点

札幌 10分 スパチョーク
広島 50分 CK→中野

      大橋
  加藤      満田
東   松本  川村  新井
  佐々木 中野  塩谷
      大迫

■交代

44分 川村→小原
46分 新井→越道
83分 満田→井上

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・A
大した仕事はなかったかな。あの失点は事故だから防ぎようがない。

CB中野・・・A
失点シーンはどうしようもない。しっかり腕を後ろに折りたたんでボールに正対していたが、あの至近距離で当たったら反応できない。運が悪かった。その意味では、この日の2ゴールはどっちも中野がゴールに入れてるのか。同点弾は見事だったので「おあいこ」だな。ただ気になったのは、この日は競り合いにそこまで勝ててないような気が。正念場だ。

CB塩谷・・・A
問題ないでしょ。惜しむらくはシュートが枠にいかなかった。

CB佐々木・・・A
問題ないでしょ。佐々木のゾーンは圧勝だった。

DH川村・・・A
完全に中盤を制圧していただけに途中離脱は残念だった。長期のケガでなければいいが。

DH松本・・・A
この日のチーム貢献度は高かった。攻守に走り回ってボールに絡んでいた。神出鬼没の彼の存在に、札幌守備陣は混乱していたと思う。残念なのはフィニッシュのところ。ここが決まっていれば「S」評価にできたのだが。

SB東・・・A
前節と比べてキレは戻っていて安心した。ハイパフォーマンスを発揮しているのに「結果」がついてこないのは無念だ。

SB新井・・・B
ボールには絡めていたが、まだまだ前線との「連動」は「手探り」状態な気がする。縦に行くわけではなく、カットインするわけでもない。なにか中途半端な感じがある。もう少し時間はかかるな。

OH加藤・・・B
得点が決まっていれば間違いなく「S」評価。それくらい動きで「決定機」を作っていた。が、とにかくシュートが決まらない。なぜなんだ?菅野が神がかっていたのはあるが、それでも決められないか?事前のニュースでは責任を感じてシュート練習に取り組んでいたようだ。それでも報われないとは。おそらく1本決まれば量産できると思うんだけどなあ。神さま、助けてあげてください!

OH満田・・・C
ごめん、今は満田を好きになれない。なにか「負のオーラ」がつきまとってる。失点シーンも満田のパスミスが起点になってしまった。交代直前にはハーフライン付近で強引にドリブルで持ち上がろうとしてボールを失い、カウンターからピンチを招いた。満田がボールを持つたび、なにかドキドキしてしまう。それでもスキッペは満田を外すことはないだろう。だから今シーズンの「浮沈」は満田のパフォーマンス次第だと思うのだ。なにをどうすればいいというのもないんだけど、「負のオーラ」が消えることを願うしかない。

FW大橋・・・A
いつも通りの「平常運転」。その意味では安定感抜群。ていうか、緊急事態とは言え、ここまでずっと「1トップ」をやってきて、他の外国人と比較して「遜色あるのか」ってこと。個人的な感想を言えば、外国人よりいいやん。走れる、高さもある、ポストプレーもうまい、ドリブルもある、シュートを決めれる・・・違和感ないよ。大橋をトップのファーストチョイスでいいんじゃないの?そうすれば、マルコス、エゼキエウなどシャドーの外国人が復帰したときに起用しやすくなるでしょ。

OH小原・・・A
初めて長い時間の出場機会を得れた。これまでより広範囲に動いたり、サイドでプレーしたり、ポリバレントの部分を発揮できたのでは。欲を言えば、もっとペナの中でプレーしてほしいな。得点にはならなかったが、大橋の抜け出しからクロスに合わせたシーンは惜しかった。ああいうシーンを増やしてほしい。

SB越道・・・A
新井と比較すると、トップ、シャドーとのコンビネーションはいい。2方向から囲まれた状況でも、彼らとの連係で狭いゾーンを崩せてる。しっかりルックアップできてるし、状況判断も悪くない。中野がサイドのポジションを空けてる時が越道にとってはチャンスになる。この機会を逃さずに、日本を代表するサイドアタッカーへ成長してほしい。

OH井上・・・A
堂々とプレーできていた。まだまだボールにかかわる機会は少ないが、もっともっと積極的にトライしてほしい。ただ、あのシュートは・・・ああいう試合最終盤で「勝ち点1か、勝ち点3か」の大事なシーンだけに、こぼれ球をダイレクトでシュートするのではなく、トラップしてコントロールシュートを狙うか、もっと得点の確率が高いプレーを選択すべきだった。1つ1つのプレーを「勢い」だけでなく考えれるようになってほしいな。

2.全体の感想

何度も言うが「今シーズンは満田と心中か」って感じ。優勝できるかどうかは「満田次第」ということ。それは満田がどうこうというより、スキッペの満田信頼度、あるいは依存度が高すぎる。長年監督をやってきた人間の違和感だ。

この試合の関しては、「負ける要素が一つもない」試合だった。冒頭で書いたが、チームの完成度、個々の能力を比較しても「高校生と中学生の試合」を見ているようだった。それくらい大きな差はあった。それでも試合が終わってみれば「1対1のドロー」。「マイアミの奇跡」が起こるように、サッカーは何が起こるかわからない。立ち上がり3分間で4本のシュートを放ち、90分で22本のシュートを浴びせたにもかかわらず、結局1点しか取れず、逆にわずか5本しかシュートを撃っていない札幌に失点を献上して「勝ち点2」を失った。もうお手上げ状態。

だからと言って、監督として「なにかできるか?」と言われてもなにもできない。同じ監督をしていた人間としても、こういう試合はマジで「お手上げ」。シュート以外はすべて想定通りに動いているのに、シュートだけは決まらない。あんなに「簡単なシュート」がことごとくGK正面だったり、枠外だったりするのに、あんなに難しい中野のシュートが決まったりする。一方で、守備側の人数は揃っていて、相手は2人しかいないカウンターで、さほど難しくないコースのシュートがDFに当たってコースが変わってゴールに吸い込まれてしまう。マジで「監督泣かせ」の試合展開になってしまった。だからと言って選手を責める気にはなれない。「もっと練習しろ」といったところで、選手たちは練習している。もうこれは「お祓い」レベルの「運」の世界だ。

スキッペと1つだけ大きく意見が異なるのは、野津田の起用に関して。私自身は守備ベースのチーム作りを優先してきた傾向があるので、あまりセンターラインはいじりたくない。トップやシャドー、サイドはメンバーチェンジしても大きな影響はないと思うが、真ん中はできる限り試合途中での変更は避けたい。その視点で見るとダブルボランチが「川村+松本」「満田+松本」「東+松本」と3回変わってる。しかも川村、満田、東はそれぞれタイプも違う。川村と松本であれば、松本は最前線へ飛び出すタイプで、川村は後方の「6番」の役目を担っている。が、満田は「6番」のタイプではないし川村ほど守備が強いわけでもない。東も同じ。試合終盤、札幌に押し込まれた状況があったが、そのあたりの影響はなかったのか。であれば、川村に近い野津田をファーストチョイスすべきだと思うが。これは青山がベンチ入りしていても同じだと思う。信頼なのだろうか、好き嫌いなのだろうか。個人的にはもっと野津田にチャンスを与えてほしいのだが。

あ〜あ、これで「5引き分け」かよ。勝ち点「5」って「2勝3敗」よりも勝ち点少ないんだぞ。なんかしっくりこない。しかも20本以上シュート撃ってるのに「1点しか取れん」みたいな試合多すぎません?もうここまでくると、なにか「悪運」が憑りついてるとしか思えないよ。どこかの神社で「厄除け祈願」でもしてくださいな。

あ〜、試合内容はメチャクチャおもしろいんだけどなあ。試合結果は、メチャクチャストレスたまる!


【2024/4/13】

[J1]福岡 1−1 広島

■得点
福岡 22分 ザヘディ
広島 25分 CK→佐々木


      大橋
  加藤      満田
東   松本  川村  越道
  佐々木 中野  塩谷
      大迫

■交代
73分 越道→新井
73分 東→志知
81分 松本→小原

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・A
試合序盤の2本のシュートストップが大きかった。あそこで失点していたら、もっと大変な試合になっていた。あの失点はGKからするとノーチャンスなのでしかたない。

CB中野・・・B
高さもあり足元もあるザヘディでは厳しい。ただ必死で食らいついていた。今はそれでいい。せっかくもらったチャンスだから、佐々木と塩谷の助けを借りながら成長できればいい。おそらくサポーターもみんなそう考えている。

CB塩谷・・・B
ザヘディとは中東時代に対戦経験あるのかな。ともかく2回完全にしてやられた。そのうち1回を決められた。ただDFには試合中1回や2回は相手に「出し抜かれる」時はある。それを感じさせないくらいの攻撃力がほしい。がんばれよ、攻撃陣!

CB佐々木・・・S
キャプテンとしての責任感も抱えて奮闘していた。その気持ちがビンビン伝わる得点だった。荒木はいないし、この日は東や満田など、なにかキレがなく重いパフォーマンスで士気が上がっていないような試合展開だった。それだけに、キャプテンとして攻守に奮闘する姿がたくましかった。ともかく毎試合ドンピシャのヘディングが決まっていなかったが、これでやっと得点に結びついた。これからが楽しみ。それにしてもボールがインパクトするところからの体の伸びがすばらしい。すごい背筋力なんだろうな、きっと。

DH川村・・・A
この日はよくボールに絡んでいた。その分、シャドーへボールが入っていなかったという裏返しにもなるのだが。それよりも印象的だったのが「中盤でのボールを刈り取る」シーンが多かったこと。なにかリバプールの遠藤とよく似てた。代表で学んできたのかな?だとすれば、すばらしいことだ。唯一不満があるとすれば、ミドルシュートの記憶がないこと。あれほど「乱れ撃ち」してたシュート本数が、この試合は90分でわずか11本(枠内3本)だった。バイタルエリアを厚く守っていたアビスパの守備組織を混乱させるためにも、ミドルシューターは必要だった。攻撃のバリエーションを増やすためにも、また優勝争いをするためには勝ち点「1」ではなく「3」を積み上げるためにも、川村のミドルシュートは重要になってくると思う。

DH松本・・・A
ここんところスタメンが続いて、やっと数年前に試合に出続けていた頃のパフォーマンスに近づいてきたと感じる。今はチャンスなので、しっかり続けてほしい。

SB東・・・B
なんか違和感があった。疲れが出てたのだろうか。重そうだった。失点のシーンは、あれは相手を褒めるしかない。ただあれを除いても、いつものパフォーマンスではなかった。

SB越道・・・B
良くもなく悪くもなく、って感じ。失点のシーンは、マークを外された塩谷の問題であり、越道の問題ではない。が、ああいう場面でも予測してカバーできるようになれば、今回の経験は意味がある。

OH加藤・・・B
なにか輝けない雰囲気があった。迷いでもあるのだろうか。早く「1点目」がほしいところだが。でも、やってることは間違いではないと思う。続けるしかない。

OH満田・・・C
初めて満田を「代えてくれ」を願った試合だった。なんか別人のように感じた。1人だけ「かみ合っていない」というか「浮いている」って感じだった。試合最終盤、最後尾でボールをキープしようとして失ったときは「やってしまった」と思ったが、幸いにも相手がミスしてくれて救われた。あれが大事故につながっていたら取り返しのつかない事態だった。うまくいくときは、多少わがままや強引にやってもうまくいくもの。が逆に、うまくいかないときは、何をやってもうまくいかないもの。そこは本人ではどうしようもない時がある。それでももがいて「自分の流れを変える」ために必死で戦っていたのだろうと感じていた。監督っていうのは、選手の「最高の状態」を知ってる。だからこそ、選手を信じたくなる。でもなあ・・・この日だけは代えてほしかった。

FW大橋・・・A
彼だけは「平常運転」だったようだ。ここ数試合では、意外とポストプレーがうまいのに感心している。あの立ち上がりのヘッドが決まっていたらなあ。それだけが残念。

SB新井・・・B
やや守備を意識した交代だったと思う。その意味では、試合展開が落ち着いた感はあった。攻撃に関しては、まだまだ「連係」までできていない感じなので、もうしばらく時間がかかるだろう。今はシンプルにクロスを入れていいと思う。

SB志知・・・A
違和感のあった東と異なり、攻撃的で左サイドを活性化させることに成功したと思う。そこから勢いを取り戻したように波状攻撃を繰り返すことができた。東は左利きだがあまり「縦へ行く」ことはせずに、カットインからシュートを狙うことが多い。一方志知は、味方を使って自分から「縦へ行く」ことが多い。実際、この試合での2回ほどタッチラインぎりぎりからクロスを入れてチャンスを作っている。志知が入って「どんより」とした流れから、一気に「点が取れそう」な雰囲気を作ったことはよかったと思う。

OH小原・・・B
彼に対してスキッペはどんな要求をしてるのだろうか?この日のプレーでは、彼を投入する意味を感じない。トレーニングはしているものの、彼自身は、大橋、加藤、満田らとの「連係」は確立できていないと思われる。逆に「控え組」の志知との相性は良さそうではあるが。あと「コンビネーション派」の選手が多い中、珍しく「ドリブル突破派」の選手でもある。彼が投入されるのは、どうしても75分前後。相手守備側の選手もかなり足にきている時間帯。だからこそ、ペナの中でターンやドリブルで仕掛ければ、ちょっとした「接触事故」が起きやすい。ある意味それを狙っているような気もしている。それなのに、サイドに開いてボールを受けるのはどうかと思う。できるだけペナの中でボールを受けるようにするか、ペナの外でボールを受けても強引にペナの中へドリブルで入っていくか。彼には「PK奪取職人」になってほしいものだ。

2.全体の感想

1点先に取られたくらいで「勝ちきれない」試合が、これで3試合目。FC東京、ガンバ、アビスパ、全部同じ。先制されても「すぐに追いつく」ことはできているので「無敗」はキープでしているものの、「勝ち点1」の積み上げでは「優勝争い」はできない。「勝ち点3」を取りきるところまでやらなきゃ。

これまでの試合終盤の「選手交代」を見ていると「勝つための交代」なんだろうかと疑問符がつく。外国人アタッカーが使えないことはどうしようもないこと。でも、外国人に頼らなくても使えるアタッカーはいるし、個性を持った選手はいる。ユースの若い選手たちもいる。それを使いきれているのだろうか。「横綱相撲」で勝ち切れれば一番いいが、「それしかないんか」と言いたくもなる。

スキッペ体制3年目のサンフレッチェの攻撃パターンは、相手チームから研究しつくされている。多くの攻撃は「ワンタッチ」「ツータッチ」のすばやいボールの動きで敵陣深くに進入することで生まれる。そこからは「人の動き」で撹乱し、バイタルエリアへボールを差し込んで「スルー」「ワンツー」を駆使してフィニッシュを取りに行く。そのためどのチームも「バイタルエリア」にスペースを作らないように守備のブロックを作ってくる。なので、ハーフライン付近から一気に流れに乗ってフィニッシュを取れないときは、相手の守備ブロックを崩しきれず、最終的にアバウトなクロスを放り込む形になってフィニッシュまで至らない。それでもこれまでの試合でシュートを量産できていたのは、バイタルエリア付近からのミドルシュートがあったから。この試合はそれもほとんどなかった。

「パスワーク」からの「カットイン」や「ポケットをとってクロス」はうまくできている。この試合では少なかったが、「ミドルシュート」も多くの試合ではできている。足りないのは「個の打開=ドリブル」のところだろう。本来ここは「外国人」に期待するところだが、その頼りの「外国人」が全滅している危機的状況。そんな状況でも、ここ数試合を見れば、小原や志知、越道は「個」でボールを運べる貴重なプレーだと思う。あとはこれらのプレーヤーをどのタイミングで投入するか、どんな「組み合わせ」で投入するかだろう。そこは単純に「ベンチワーク」の改善を期待するしかない。

これだけケガ人が続出して、メンバーの選考に苦労しているのはわかる。が、疲れていたり、重そうだったり、いつものキレがなかったり、そういう選手を代えないのはいかがなものか。試合最終盤で、ボールキープからボールを失ったり、ボールを失った直後に全力で追うこともできなかった満田を使い続ける意味はどうなんだ。まだベンチには、野津田、中島、井上がいたではないか。連戦で選手のパフォーマンスが上がらない時もあるだろう。だからこそ「総力戦」で戦うしかないのでは。

      大橋
  小原      加藤
志知  野津田 川村  新井
  佐々木 中野  塩谷
      大迫

私なら・・・こうしたかった。


【2024/4/7】

[J1]広島 2−0 湘南

■得点
広島  52分 大橋(PK)
広島  96分 加藤→大橋

      大橋
  加藤      満田
東   松本  川村  新井
  佐々木 中野  塩谷
      大迫

■交代
46分 新井→越道
74分 川村→野津田
89分 満田→小原
91分 加藤→井上

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・A
試合最終盤でルキアンが単独突破からニア上に放ったシュートを止めたのはビッグプレー。この試合の直前に観ていた東京ヴェルディの先制点は、まさに同じ形だった。あれを決められるか、止めるかは大きな差がある。あれ以外目立つプレーがなかった試合だったが、仕事をきっちり仕上げたことは評価したい。

CB中野・・・B
この日はルキアンに負けた。何度もボールを収められ、ドリブル勝負を挑まれた。荒木なら「競り勝ってただろう」と思う場面が何度かあった。あと前半立ち上がりにルキアンに背後を取られて、あわや「PKか」と思われるシーンを作ってしまった。あの場面、なぜVARが入らなかったのか不思議だが、VARが入っていたら「手がかかっていた」と判断される可能性が高かったと思う。急造だから「仕方がない」とはいえ、勉強してほしい。

CB塩谷・・・B
最後のルキアンに負けたシーンは危なかった。それ以外は安定感と強さは抜群だったが、あの1回は厳しかった。あと、塩谷らしい「おっ」と思わせる攻撃のアイデアが見られなかったのが残念だった。

CB佐々木・・・A
佐々木のところにボールが出れば、安心して見ていられた。ヘディングシュートも惜しい場面もあったし、まあ「通常運転」というところでしょう。

DH川村・・・B
川村にボールが回ってくる場面が少ないゲームだった。湘南が前から5人でハイプレスを仕掛けてきたので「ひっくり返す」裏へのボールが増えた影響が大きかった。が、一度下げて作り直しがあってもよかったと思う。前半30分くらいから、湘南のプレスが落ちてからは川村のボールタッチが増えた。ボールに多く触れるようになったと思ったら負傷交代となってしまった。自力で歩いていたので2〜3週間で戻ってこれるとは思うけど。なんか総力戦になってきたな。

DH松本・・・A
まあよく走ってたな。タイシらしい。そろそろ「得点」や「アシスト」など数字が欲しいところだけど。

SB東・・・A
シュートもクロスもあったんだけどなあ。「得点」につながらないなあ。もったいないぞ。

SB新井・・・B
平均点は超えてるんだけど、なんか微妙に「ズレてる」感じがしていた。無理して前線へフィードしようとして相手にカットされてピンチを招いたシーンもあった。ちょっと何か違和感を覚えていたので、道越への交代は納得できるものだった。

OH加藤・・・B
この日はあまり効果的なボールタッチがなかったような気がする。ラストの大橋へのアシストは見事だったけど、それ以外はあまり印象がない。逆に「決定機」を外しているのが気になる。早く「今シーズン1点目」を決めてほしいが。

OH満田・・・B
う〜ん、満田への要求が高いだけに評価が辛口になってしまう。なんか微妙に「うまくいってない」感じがしてる。もっと我を出してシュートへ持ち込んでもいいのでは、と思う。

FW大橋・・・A
1点目のPKはラッキーだった。GKのファンブルがなければ得点はなかったシーン。運がよかった。2点目は見事だった。古巣相手で精神的には複雑ではあっただろうけど、ここはプロの試合。割り切ってやるしかない。湘南サポーターは気の毒だったけど、今のサンフレッチェではFW陣が負傷で誰もいない状況なので「大橋が点を取る」ことがタスクになっているので認めてやってほしい。

SB越道・・・S
この試合の「貢献度」では「S」ではないかもしれないが、私の中では「S」だった。前半、新井のサイドのバトルに苦労している感じがしていた。それが後半から越道に代わって状況が一変したような気がする。新井とは異なり、越道はドリブルでの単独突破ができた。これが大きい。「個」でボールが運べるから、ボールが安易に下がることなく高い位置から前進できた。身長もあるしリーチも長いから、イーブンの状態でもボールを前へ運べることができた。試合の流れを「変える」という意味では高い評価をしたい。

DH野津田・・・B
なにか「乗り切れなかった」感じ。ちょっと「試合勘」が落ちている。ただ川村は少し時間がかかると思うので、このチャンスを活かしてほしい。

OH小原・・・B
もっと仕掛けていいよ。あとはやっぱ「シュートテクニック」だな。

OH井上・・・???
さすがにあのタイミングでの投入では評価しようがない。まだユースの子だと思うが、J2熊本では16歳の子が大活躍しているので、こういうチャンスは「運」だと思ってチャレンジしてほしい。

2.全体の感想

やっぱきついわ。今のJ1では「圧倒的な差」はない。どんなチームでも「武器」を持っている。この日もルキアンには苦労した。まあ「総合力」でなんとか振り切った感じか。

試合中「おそらく20本はシュート撃ってるな」と感じていたが、スタッツを見ると「シュート29本(枠内シュート9本)」だった。これだけ撃っても「2点」しか獲れてない。う〜ん、崩してはいるんだが。シュートの精度とかテクニックとか、もう少し何とかならんものか。湘南のシュートブロックはすごかったが、ことごとく「ブチ当てた」感じがする。もう少し「効率」を上げてほしいのだが。

立ち上がりは湘南のプレスに苦労をした。ハーフライン付近から5人がハイプレスをかけてきた。最初30分くらいまでは、プレスに負けて「縦につける」ことができず、ボランチを飛び越してロングボールを蹴る展開になった。あるいは強引に「縦につけた」ボールを回収されて、何度かカウンター攻撃を受けてしまった。ところが何がきっかけになったのかわからないが、前半30分くらいから湘南のハイプレスがなくなった。体力的な問題なのか、「縦のクサビ」が入り始めたのか、それともセカンドボールを拾えるようになったからなのか。ともかく相手陣内に押し込んでしまえば、「人数をかけた連係」を繰り出すことができる。ここからは割と安心して見れるようになった。

やっぱ「ミドルシュート」と「サイドからのクロスへ合わせる」部分だよなあ。ここが改善できれば、なあ。1試合で「29本」もシュートを記録するようなチームもなかなかないよ。ビルドアップまでは「完璧」なんだけどなあ。

ともかく外国人が「全滅」の状況の上、荒木、川村まで「有給休暇」の状況。さてさて、どうしたものか。中島や井上のような本来ならチャンスが与えられるはずもない選手たちにチャンスが回ってきている。それはそれですごいことだし、彼らが出てもチーム力が落ちていないこともすごいこと。ここ2戦は、ベンチも含めてすべて「日本人」メンバー。それでもJ1上位の試合を演出できてるし、結果も残せている。広島ユースも含めて「総力戦」の状況になってきたが、それを違和感なくできるところが「サンフレッチェ広島」というチーム力なので誇らしい。まだまだワクワクできそうだ。


【2024/3/30】

[J1]広島 1−1 G大阪

■得点
G大阪 76分 ウェルトン
広島  78分 新井

      大橋
  加藤      満田
東   松本  川村  中野
  佐々木 荒木  塩谷
      大迫

■交代
75分 中野→新井
75分 満田→小原
82分 松本→エゼキエウ
89分 加藤→中島

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・A
責められないけど、ペナの外に弾き出せなかったか。クロスを止めるのが精いっぱいだったのはわかるが。それまではパーフェクトだっただけにもったいなかった。

CB荒木・・・A
特にマイナスポイントもなく、宇佐美をうまく封じ込めていた。

CB塩谷・・・A
ドリブルでゴリゴリ攻め込んできたけど、冷静に抑えることができていた。

CB佐々木・・・A
ファンアラーノとのバトルは見ごたえがあった。失点シーンは、追い込んだ時に奪いきれずに逃してしまったことで、佐々木が上がった裏のスペースを突かれてしまった。前に人数はいたので、任せてポジションを戻してもよかったのかも。もったいなかった。

DH川村・・・A
この日は守備面で光っていた。強い守備で何度もボールを奪っていた。代表で遠藤の素晴らしいところをたくさん学んでほしい。

DH松本・・・A
タイシの「いいところ」がよく表れていた試合だったと思う。とにかく「ポケットを取る」ことを徹底してやっていた。そのことで、何度かガンバの守備網を突き破ることができた。残念なのは、最後の「トラップ」が決まらなくてフィニッシュが取れなかったシーンが何度かあったこと。フィニッシュとかラストパスが決まっていたら・・・よかったんだけどな。

SB東・・・A
前半、山田のフィニッシュをブロックしたプレーで私の中ではMVP。それ以外でも東が高い位置でボールを受けたときは、確実にチャンスが生まれていた。間違いなく攻撃の中心にいると思う。かつてのベッカムのような存在になってほしいな。

SB中野・・・A
特に問題はない。安定してる。それだけに得点につながるプレーがほしい。

OH加藤・・・A
あとは決めるだけ。シュートも放ってるし、続けるしかないでしょ。

OH満田・・・A
もっとシュートへ行ってもよかったのでは。別に悪いところはないんだけど。1点が遠い状況は打開しないと。

FW大橋・・・A
ピエロスと同じことはできない。ピエロスほどのポストプレーはできない。が、ピエロスよりも加藤や満田、松本との関係はいい。ただ、本当に「ほしいタイミング」でパスが出ていないのかもしれない。かつて寿人は、動き出しひとつでアオからのパスを呼び込んでいた。あの関係を築いてほしい。

OH小原・・・A
存在感はあった。ボールを持てば貪欲にドリブルで突撃をかける。万能型の選手が多いサンフレの中では異質な存在。単独でゴールを目指せる存在は貴重だ。実際その形で相手を翻弄してシュートを放ってる。あとはシュートテクニックか。がんばれ。

SB新井・・・S
チームへの貢献度は絶大だった。あれほどシュートを放っても捨て身のブロックやゴールポストに阻まれていたのに、あのひと振りで決めて見せた。すばらしかった。新潟の主力選手でありながらシーズン途中の移籍を決断し、広島へやってきた。移籍直後には誹謗中傷に苦しんでいたと聞く。この得点で、その苦しみから解放できたなら最高だが。どちらにせよ、私を含めて広島のサポーターにすばらしいアピールができた。それは大橋のデビューと同じだ。得点だけでなく空中戦の強さも発揮していた。頼もしいプレーだった。

OHエゼキエウ・・・B
ボールタッチも少なく、あまり効果的なプレーは見られなかった。

SB中島・・・???
まだまだプレーチャンスは少ないので評価は難しい。けど、ポテンシャルの一部は垣間見れた。身長があるのはいいことだ。ラストプレーのポケットをとってからのクロスは惜しかった。ナカジさんの息子がこんなに早くピッチに立つとは思わなかった。うれしい。親子2代のサンフレ選手はクラブ史上初のことでしょ。大切に育ててほしい。

2.全体の感想

ピエロスが負傷したことで「日本人オンリー」の先発メンバーとなった。そのメンバーで、こんなハイレベルな試合ができたことがうれしい。正直言って、とんでもなくハイレベルな試合だった。サンフレはいつものことだが、ガンバのレベルが高くてびっくりした。失点シーンを含めて、何度か華麗にプレスをかいくぐられてピンチを招いた。そして、敵とはいえ山田のプレーや存在感には感銘を受けた。

チャンスは多くあった。完璧に崩したシーンも多かった。ガンバの守備がすばらしいこともあったが、それでも得点を奪いきる「強さ」がほしいところ。選手を代えるのではなく、このメンバーがレベルを上げてほしい。大橋や加藤には、やはり寿人のような「ゴールを決めきる」強さを求めたい。FC東京戦と神戸戦は「負けゲーム」を引き分けに持ち込めた感はあるが、この試合などは「勝ちきれなかった」感の方が強い。「負けない」では優勝は狙えない。「3引き分け」は「1勝2敗」と同じに過ぎない。

勝てなかったことは残念だが、日本人プレーヤーだけ(途中でエゼキエウは投入されたが)であれだけハイレベルなサッカーができていることがうれしい。試合自体はメチャクチャ楽しかった。両チームのトランジションも速く、手に汗握るスペクタクルな90分だった。エンターテイメントとしたら最高だった。

本当は今シーズン優勝してほしいところだが、「得点を奪う」形が完成するにはもう1年かかるかな。見守るしかないか。


【2024/3/16】

[J1] 神戸 0−0 広島

■得点

■メンバー

     ピエロス
  加藤      大橋
東           中野
    満田  川村
 佐々木  荒木  塩谷
      大迫

75分 満田   → エゼキエウ
75分 中野   → 越道
79分 ピエロス → 志知

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・S
武藤のシュートを止めたのがすべて。あれがなかったら完敗の試合だった。ひとつ不満があるとすれば、相手コーナーキックの対応。1本飛び出してボールに触れなかったことが起因なのか、そこからボールへのアタックができなくなった。ザイオンと比べて劣るのはそこくらいなので、もっと強度をつけてほしい。

CB荒木・・・B
大迫には完敗だった。それがすべてじゃないかな。荒木は全力を出し切ったと思うが、大迫は1枚も2枚も上だった。

CB塩谷・・・A
中盤が競り合いで勝てないので1対1に追い込まれるシーンがあまりにも多かった。それでもギリギリで止めていた感じ。

CB佐々木・・・B
武藤には苦労した。とにかく体の使い方がうまいし、体感が強いから動じない。早い時間にカードをもらったのでヒヤヒヤしたが・・・なんとかクリーンシートで終われてよかった。

DH川村・・・B
がんばっていたことは間違いない。が、うまくいっていなかった。前線でボールが収まらないし、最後尾からロングボールを送るしかない試合展開になってしまった。改善方法はなかったのか。ピッチ内の「司令塔」としては、もっと考えないといけないのでは。守備面も同じで、相手も大迫、武藤へロングボールを送ってセカンドを狙うサッカーに終始していたのに、それの対処方法があまりにも中途半端だった。結果的にボランチとセンターバックの距離が離れすぎて、セカンドボールがすべて神戸に流れて簡単にフィニッシュチャンスを与えてしまった。試合終盤にカウンターからフィニッシュチャンスをつかんだのに、ドリブルで突入してボールを失ったり・・・試合展開を考えれば、奪われれば相手にカウンターチャンスを与えるわけだから、やはりシュートで終わるべきだった。代表キャプテンの遠藤のような存在感を出せるようになってほしいものだ。

DH満田・・・B
なにか「空回り」していた。今まで満田を見た中で、最悪のパフォーマンスだったと思う。今までは通っていた「クサビ」の縦パスが、ことごとく奪われた。数字はわからないが、下手するとパス成功率が60%前後まで落ちてたのでは?神戸も分析してただろうから、満田がボールを持ったら「クサビ」を狙っていたように感じた。モロに術中にはまった感じ。スキッペがあれだけこだわっていた満田を最初に交代させたのも理解できる。

SB東・・・A
東だけはいつも通り安定したプレーをしてた。特に光ったのは、酒井とのバトルに負けなかったこと。「そこを突破されると危ない」というシーンで、酒井のドリブル突破を2〜3回ストップできた。あれは大きかったと思う。中央に強い大迫と武藤がいるから、サイドを深くえぐられたら大ピンチになる。それを回避できただけでも大きい。

SB中野・・・B
サイドのバトルでは完敗だった。プレスをかけても簡単にはがされるし、ドリブルで仕掛けても抜けなかった。相手によっては今まで「はまって」いたことが「はまらない」こともある。その時に「修正力」や「経験値」が重要になる。相手がロングボール中心に組み立てたり、中野の裏のスペースへ大迫が流れてくることを考えても、もう少しポジションを下げてもよかったのではないかと思う。越道に代えられたのも、ベンチでは「この状態はよくない」と感じていたから。悪いときは悪いなりに戦える「修正力」を持ってほしい。

OH加藤・・・B
効果的なプレーは1回程度で、あとは状況を変えれらなかった。後方から効果的なパスが届かない状況では、ある意味どうしようもない。

OH大橋・・・B
チャンスは前半のシュートのみ。個で戦うタイプでもないので厳しい。ただ何回かあったボールロストのシーンは気になった。今までの対戦チームと比べて神戸は、プレスバックがめちゃくちゃ速かった。そのためトラップした瞬間狙われ、囲まれて、ボールを失うシーンが何度かあった。そこは相手の大迫、武藤は格が違った。まだまだだな。

FWピエロス・・・B
これくらい強度が強い守備陣相手だと、ピエロスのポストプレーのうまさが際立った。実際、ピエロスがピッチから去って、ほぼノーチャンスになった。ただし、中盤を飛ばしてロングボール中心になった試合展開に問題があったことも事実。どちらにせよ「内転筋」のトラブルだろうから、しばらくは復帰できないだろう。

OHエゼキエウ・・・B
あの流れの中では局面を打開するまでは至らなかった。

SB越道・・・C
相手が圧倒していた時間帯だったこともあり、腰が引けた印象が強い。特に上背もあるのに空中戦を競り合わなかったことはよくない。競り合わないから神戸はフリーでヘディングして、それを確実に「味方へのパス」にしていた。競り合えばセカンドボールもイーブンとなり、そこからカウンターにもつなげるが、競り合わないからカウンターもできない。ピッチサイドで見ていたはずなので、それくらいは意識してピッチに入ってほしい。

SB志知・・・C
気の毒な気もするが、流れに乗れなかった。相手の勢いに押されて、ボールロストを連発した格好になった。東が左サイドで互角以上に戦っていただけに、残念だった。

2.全体の感想

監督的立場で言えば、「交代」を使ってもっと効果的な改善ができていたのではないかと思う。それくらい「交代」がなんの効果ももたらさず、逆に試合内容を悪くしてしまった。

広島の守りは、塩谷、荒木、佐々木が「3対3」の状況でも「守りきる」だけのパフォーマンスが前提にある。しかしながら、大迫、武藤は「1対1」が抜群に強く、その後ろから入ってくる宮代もスキルが高い。この試合、立ち上がりは「高めのプレス」が効いていて互角以上の試合展開に持ち込めていたが、経験豊富な神戸の選手たちは「高めのプレス」を逆手にとって「早めに前線に放り込む」作戦に切り替え、最前線の競り合いのセカンドボールを拾って押し込む試合展開に持ち込んできた。これに対してボランチ、両サイドが高い位置を取っている広島の中盤は「後手」を取る格好となり、ボールホルダーに対して後方からアタックしなければならず、スキルの高い神戸のアタッカー陣にドリブルでゴリゴリ運ばれてしまった。であれば、もっと「守備に強い」選手を中盤に投入し、いったん落ち着いた試合展開に持ち込むべきではなかったのかと思う。

      大橋
  川村      満田
東           中野
    松本  野津田
 佐々木  荒木  塩谷
      大迫

この日のメンバーなら、この形はできたと思う。確かに満田のパフォーマンスは悪かったが、前線の守備や攻撃の破壊力を考えれば、まだまだ活かせたのではないかと思う。川村も同じで、より前線に近い位置に置くことでカウンターからの「脅威」を相手に与えることができたのではないかと考える。一方の守備では、やや引いてボールを受ける大迫、武藤のゾーンをケアするためにも、守備力の高い松本や野津田に任せた方がいいと考える。満田や川村よりバランスが取れると思う。また東は左サイドで効いていたので、ここも動かしたくなかった。

攻撃に関しても、これまで満田や川村、東から繰り出されていた「ワンタッチパス」を研究されて、「ありえない」と思うくらいパスカットされてカウンターを食らってしまった。そうであれば、もっと時間をかけて攻撃を組み立てる「野津田中心の攻撃パターン」にシフトした方がいいのではないかと感じた。結果として神戸の「攻撃パターン」につきあう格好となり、そうなると大迫、武藤を擁する神戸の方が「1枚も2枚も上だった」というしかない。広島と特長をことごとく消され、広島の弱点をさらけ出す試合内容に陥ってしまった。パワープレーに徹して旋風を巻き起こしている「町田」のサッカーに粉砕されるような悪い予感もしてきた。

チームの完成度も高く、選手の質も高い。間違いなく優勝に「値する」だけの内容も結果も残している。が、「融通が利かない」感もある。理想のスタイルはあるにせよ、うまくいかない時の「違う戦い方」もできるようになってほしい。若くて活きがいいメンバーが多いことはすばらしいが・・・サッカーには臨機応変に対応できる「老獪さ」も必要だ。黄金期には森崎カズや青山がいた。その意味ではまだまだ「あおくさい」のかも。

前半の途中から「勝てそうな気配すらない」と感じていた。ひたすら「スコアレスドローで終われたらラッキー」と考え、とにかく「引き分けでいいから早く終われ」と願うしかない「つらい試合」だった。


【2024/3/9】

[J1] 広島 4−0 鳥栖

■得点

広島 18分 塩谷
広島 31分 川村
広島 51分 ピエロス(PK)
広島 96分 中野

■メンバー

     ピエロス
  加藤      大橋
東           中野
    満田  川村
 佐々木  荒木  塩谷
      大迫

ピエロス → エゼキエウ
東    → 志知
加藤   → 松本
満田   → 小原
川村   → 野津田

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・S
マルセロ・ヒアンのスピード突破からのシュートストップは見事だった。あれが決まっていたら面倒な試合展開になっていたかもしれない。プレスをかけられた時のフィードもショートだけではなく、ロングフィードで「ひっくり返す」こともできていたので問題はない。ほぼパーフェクトの試合だったと思う。

CB荒木・・・A
後方からビルドアップする鳥栖が、追い込まれて蹴ってくるロングボールに対して、ほぼ完勝だった。逆に言うと、荒木が印象に残らない「完勝」の試合だったと言える。

CB塩谷・・・S
開始3分でいきなりミドル。で、18分に2本目のミドルで得点。さらに前半もう一本ミドルをズドン。細かくつないだり、サイドからクロスを狙う攻撃の基本形の中で、塩谷のミドルはいいアクセントになる。それにしても3本目のミドルのように、ノーステップで「重い」と感じるようなミドルを撃てることはすごい。まだまだ存在感は高いな。

CB佐々木・・・A
なんかゴールネットを揺らしたような・・・運がなかったな。全体的には問題ないハイパフォーマンスだったので、あとは得点だけ。セットプレーから得点奪えたら、パーフェクトの試合だった思うから。

DH川村・・・S
どうしても厳しめの評価になってしまう川村だが、この試合は褒めよう。得点も含め、ほぼ望んでいたプレーをやってくれたと思う。この試合、特に強く感じたのは、川村の「パススピード」。これは満田にも言えるのだが、低くて強くて速いパスが両ボランチから繰り出される。川村の方がノーステップで押し出すような強いインサイドキックでパスを出せる。日本の他チームでは、ここまで強くて速いパスは見られない。もっともっと特長である左足のパスやシュートを前面に押し出すプレーができるようになれば、いつ海外へ行っても活躍できる選手になると思う。

DH満田・・・A
カウンターで駆け上がったとき、またまたピエロスがパスを出さずに枠外シュートを撃ってぶちキレてたな。わかるわかる。攻守においてパフォーマンスに問題はないので、あとはプラスアルファの部分だけ。得点ほしいよな。

SB東・・・A
シュート決めたかったな、中野は決めたし。クロスも合わせような、志知はアシストしたし。優勝狙うなら、サイドの得点やアシストは不可欠になる。数値を残そう。

SB中野・・・A
立ち上がりから攻撃によく絡んでいたし、シュートも狙っていた。最後の最後に報われた感じかな。思いっきり足つってたし。それにしてもいいヘディングシュートだった。中野は高さもあるし、東や志知からのクロスも期待できるから、これからの得点源になる可能性もある。期待したい。

OH加藤・・・A
この試合はシュートあったのかな?あまり記憶がない。もちろんなんの違和感もなく、ミスもほとんどない。ボールにもしっかり絡んでいる。だからこそ、そろそろゴールがほしいよな。

OH大橋・・・A
この日は「大橋の日ではなかった」といしか言いようがない。シュートも撃ってるし、チャンスにも絡んでる。が、シュートが全部キーパー正面。まあ、こういう日もある。

FWピエロス・・・A
PKのシーン、「それでもおまえ蹴るんか」と思った。が、決めたからヨシとしよう。シュートがヘボいところは許せないところだが、ポストプレー、サイドへ流れてボールを引き出すプレーなどは、さすがの安定感と、ボールタッチが抜群にうまい。あれを見ると、スキッペが外さないのもなんとなくわかる。なら、流れの中からシュート決めろや、と言いたい。あとは周りとの連係の部分。FWだから自分でフィニッシュとりたい気持ちはわかるが、加藤がサイドへ流れてクロスを入れた時にファーへ流れたことで加藤が「ニアへ来いよ」と怒ってた場面や、カウンターから中央をドリブルへ突き進んでいた時に併走していた満田に出さずに、ペナティアーク手前からシュートを狙って外して満田が激怒していた場面では、周りとの連係に問題があると感じた。自分で狙うなら結果を残して周りを黙らせるくらいでないと。PKの1点だけじゃ、まだ信用できんな。

OHエゼキエウ・・・A
あまり印象は残っていないが、それだけ違和感がないと言うこと。

SB志知・・・A
いいクロスだった。高いレベルで東とポジションを争ってくれたらいいと思ってる。長いシーズンだし、暑い夏もやってくるし、2人で右サイドを支えてほしい。

DH松本・・・評価なし
短時間のプレータイムだったが、最前線まで飛び出してシュートを放った。もっと長い時間プレーさせたいな。

DH野津田・・・評価なし
まだまだできるけどね。満田と川村がテッパンだから、今は我慢するしかないな。

OH小原・・・評価なし
初めて見た。愛媛FCから移籍して、水戸へレンタルして40試合出場で6ゴールか。一回、相手3人くらいを強引にぶち抜いていくシーンがあった。タイプとしてはエゼキエウに近いのかな。楽しみにしよう。

2.全体の感想

鳥栖は荒っぽいサッカーはしないので、広島にとっては戦いやすい相手だったと思う。スタイルが似ているとは言え、選手の質や強度、チームの完成度には大きな差があった。それが明確に出た。立ち上がり、わずか3分ほどの間に4本のシュートを放っている。それも偶然のシュートではなく、計算されたボールの動きで完全に崩してシュートへ持ち込んでいる。あとは「フィニッシュだけ」という状況で、18分で先制できて「一歩前へ出た」ことが大きかった。終わってみればシュート29本、枠内シュート9本を浴びせた圧勝だった。PKを除けば、塩谷、川村、中野と「前3人」以外の得点。だからこそ「前3人」の得点力が上がれば、もっと効率よく得点が奪えるはず。試合中いくつか見られた意思疎通のずれなどが解消できることを期待するしかない。

それにしても、ボールがワンタッチ、ツータッチで速く動き、しかもパススピードが他チームと比較して圧倒的に速く、さらにミスがほとんどないパフォーマンスを発揮しているので、見ていても楽しい。メンバーが変わっても、チームパフォーマンスが変わらないのもいい。大半の選手が昨シーズンも一緒にプレーしているし、新しい選手もフィットしているから、どんなメンバーになっても違和感はない。ただ唯一「違和感」を覚えるのが「ピエロス」と言うのだけが悩ましいところだが。

前節はメンバー交代なしだったが、この試合は多くのメンバーがピッチに立った。その中で、前節望んでいた「大橋の1トップ、加藤、エゼキエウの2シャドー」を確認することができた。悪くないんじゃないかな。確かにピエロスのポストプレーの安定感は魅力だが、「フィニッシュ」という面では、大橋の1トップは魅力的だと思う。この試合でも、囲まれた状況の中でもペナの中でうまくターンしてシュートを放ったシーンが何度もあった。あのあたりのシュートの形を持ってることは「ストライカー」だと思う。次は「大橋の1トップ、加藤、満田の2シャドー」も見たいものだ。

前節までの2試合を見て、急に広島を「優勝候補一番手」に挙げるサッカー関係者が増えた。あの「躊躇のない流れるようなボールの動き」を見れば、そう感じて当然だろう。実際ハイライトも含めてJ1、J2全試合をチェックしているが、ここまできれいにボールを動かすチームは存在しなかった。それだけに・・・なんとかならんもんかいな、点取り屋さん。


【2024/3/2】

[J1] FC東京 1−1 広島

■得点
広島 69分 大橋PK
東京 71分 荒木

■メンバー

     ピエロス
  加藤      大橋
東           中野
    満田  川村
 佐々木  荒木  塩谷
      大迫

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・B
あの時、なぜ内側に動いたのか。あれは反省材料。それ以外は問題なかったので、もったいなかったと思う。

CB荒木・・・B
あれは飛び込んではいけない。運よくペナの外だったからよかったものの、あの時間帯にあの形でPKで失点していたら終わっていた。修正してほしい。

CB塩谷・・・B
俵積田のスピードに振り切られる場面があった。おそらく今後も塩谷のサイドをスピードで突いてくる戦略を立ててくるチームがあると思う。そこをどうカバーしていくのか。今後の長期的課題だと思う。

CB佐々木・・・A
全体的にマイナスポイントはない。逆に言うと「ストロング」もなかった。アベレージは完全に超えているのだから、そこからの上積みの部分を期待したい。

DH川村・・・B
う〜ん、なんとかならんかなあ。あのシーン、ダイレクトでつなぐことを選択したことは間違いではないが。得点直後だしなあ。失点後、一気に反撃に出てきた東京の攻撃を防いだ直後だったし。落ち着かせるべきではなかったのかな。「チームを勝たせるプレー」ができていたかというと、どうなのかな?もう求められているものが違うと思うよ。

DH満田・・・A
だから、ピエロスに出して前節後悔したんじゃないのか?出すなよ、撃てよ。1本惜しいシュートがあったが、ああいうのをもっと出さないと。この試合は完全に消化不良だよ。

SB東・・・B
クロスがなあ。あれだけ入れてるのに。クロスが悪いのか、合わせる選手が悪いのか。今シーズンも継続課題だな。

SB中野・・・B
東以上にクロスの課題が大きい。トップレベルのプレーはできてるんだけど、クロスから得点の確率を上げないと、サイドアタッカーとして評価しようがない。

OH加藤・・・A
この日は加藤にチャンスが回ってきたが、決められなかった。シュートが大橋に当たったり、ボレーが波多野にセーブされたり、この日は「加藤の日ではなかった」のかな。シュートはすべて「枠内」に入れてるのだけど。う〜ん、やっぱ「運」がなかった。でも、プロは「運」も実力だから。もう1ランク上げてほしいよ。

OH大橋・・・A
わずか2試合目だけどチームにはフィットしてる。今は続けるしかない。そして、サイドやボランチとのコンビネーションを高めるしかない。

FWピエロス・・・B
ポストプレーやサイドへ流れるプレーはメチャメチャうまい。それは認めてる。が、サイドからのクロスへの強さをまるで感じない。逆にポケットに入ってニアでコースを変えるか、相手を引っ張って加藤や大橋をフリーにした方がいいと思うが。クロスに対して中央で動かないから、相手も崩れないのではないかな?

2.全体の感想

この試合は「引き分け」が妥当だった。ラッキーなPKで得点を奪えたものの、それ以外で得点が入る予感がしなかった。試合内容を考えても、あの結果を納得するしかない。それくらいチームのパフォーマンスに問題があった。

ただ矛盾はしているが、選手のパフォーマンスはとても高い。アベレージははるかに超えている。どれだけ「チャンスを作るの」と感じるくらい、何度も何度も東京ゴール前へ襲いかかった。両サイドからの崩し、川村と満田の展開力やクサビを打ち込む能力はハンパなかった。それでもゴールを割れなかった。「バイタルやペナまでボールを運ぶ」チーム力は「超一流」。でも「ペナの中でシュートを決める」チーム力は、二流以下。それを改善するのは「選手」なのか「チーム」なのか。

「選手」であれば「補強」をするか「メンバー組み換え」をするしかない。おそらくシーズン途中の補強はむずかしい。現有メンバーであればドウグラスだが、ケガが多くこの日はメンバーにも入れなかった。となると当面「補強」の線はない。であれば、メンバー的に余ってるボランチの野津田、松本を投入して、満田をシャドーに上げるのが一番シフトしやすい。もっといえば、加藤、大橋、満田で前3人をポジション固定せず流動的に組めばおもしろいと思う。いずれマルコスが復帰すれば、エゼキエウも含めてシャドーが人余りになる。だからこそ「ゼロトップ」あるいは「加藤、大橋の2トップ+シャドー」の形もあっていいのではと思う。ともかく互角以上の試合内容でも、こうやって結果として苦戦するのは納得できないものがある。思い切った「組み合わせ」を模索してほしいと願う。

守備については「あんなもの」だと思う。カウンター型のFC東京の攻撃を、うまく防いでいたとは思うが、ああいう「事故」は起こるもの。川村の判断には問題があったと思うが、それでも「1点ごとき」で「勝ちきれない」のでは「J1制覇」は難しい。観ている側はうれしくはないが、「ウノゼロ」で勝てるチームになることも重要な要素にはなる。

この試合は途中から「監督目線」で観ていた。確かにFWの交代要員がいなくて、動きづらい状況ではあったと思う。でも「そこまでピエロスにこだわる?」とは感じた。個人的には「加藤、大橋の2トップ」を推しているので、ピエロスに代えてエゼキエウを投入したり、満田を1列上げるために野津田や松本の投入、志知をサイドに入れて東をボランチへ移動などがあってもよかったと思う。選手は最後までがんばっていたし、代えづらい状況ではあったけど、あの状況で「劇的な変化」をもたらすには、「選手を代える」しか手段はなかったはず。それをしないことに、監督への疑問があるし、ベンチで出場機会を得れなかった選手たちのストレスもあったと思う。次々と選手を投入しているFC東京のベンチワークを見て、出場できなかった選手たちはどう感じたんだろう?そっちの方が心配だ。

引き分けという結果は納得できるし、両チームのパフォーマンスを考えると妥当だったと思う。けれど「全力を尽くして勝ち点1をゲットした」と感じただろうFC東京の選手たちと、なにか「もやもやしたもの」が残っているだろう広島の選手たちでは、余韻に大きな差があるような気がしてならない。なにか「すっきりしない」試合であった。


【2024/2/23】

[J1] 広島 2−0 浦和

■得点
広島 45分 川村ミドル→大橋
広島 55分 加藤クロス→大橋

■メンバー

     ソティリウ
  加藤      大橋
東           中野
    満田  川村
 佐々木  荒木  塩谷
      大迫

ソティリウ → ビエイラ
加藤    → 松本
川村    → 山崎

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK大迫・・・A
ケガからの復帰戦だったけどシュートストップに何度か救われた。まだまだ100%ではなさそうで、キックミスも見られた。ともかく初戦をクリーンシートで終われたのは大きい。

CB荒木・・・A
サンタナには苦労してた。だが時間とともに駆け引きで負けなくなって、いいポジションが取れるようになり、対等に競り合えるようになった。そのことで立ち上がりの悪い流れを断ち切れて、前半15分あたりから優位に戦える状況が作れた。最後まったくタイプの違う興梠に苦労したが、完全にはフリーにしていなかった。いいスタートが切れたことで、これから落ち着いて戦うことができるだろう。

CB塩谷・・・A
さすがにスピードには衰えが見られるものの、安定感とか、「ピンチ時の勘」はさすがの一言だった。

CB佐々木・・・A
対面に厄介な相手がいた。テクニシャンの関根と重戦車の酒井。カードはもらったが、あれくらい行かないと佐々木らしくない。塩谷も同じだけど、この日はあまり攻撃に絡むことがなかった。これからだな。

DH川村・・・B
何度も言うが「シュート撃ってナンボ」の選手。その意味ではラッキーだったが川村のミドルから得点が生まれた。が、あの1本では評価しようがない。もっとボールに絡めよ。がんばれ!

DH満田・・・S
やはりこの男の存在感はすごい。いろんな意味で「推進力」がある。仮に優勝を勝ち取るなら、満田が2桁得点をマークしなくてはならないと考えている。ポジションがボランチであっても、スポルティングの守田のように得点に絡めるはず。期待してる。

SB東・・・A
いつものようにヒョウヒョウと。つかみどころがないな。この日はクロスばかりでフィニッシュがなかった。中野は何本かフィニッシュあったぞ。もっと貪欲に!

SB中野・・・B
アグレッシブさはいつも通り。ただ、課題と思われるクロスの精度とバリエーション。そこの質はまだまだ高められるはず。浦和の前田のクロスは脅威だった。あのレベルには育ってほしいよ。あと、「そこは折返せよ」の場面でシュートに行こうとしたり、「そこはシュートだろ」の場面で折返そうとしたり・・・勉強してください。

OH加藤・・・A
相変わらずうまい。うまくて、強くて、速い。残念だったのは、この試合シュートが少なかった。その意味では、ペナルティエリア付近でのボールの受け方は大橋の方がうまかった。まだまだ成長できると思う、楽しみだ。

OH大橋・・・S
いきなりの抜擢で100点満点でしょ。PK蹴ってりゃ、2シーズン連続開幕戦ハットトリックだったのに・・・あの野郎。それでも「昨シーズン13得点」はフロックではなかったね。ゴール前に入る間隔は興梠に近いものを感じた。あの高さのある浦和DFに対して、あの入り方はパーフェクトだった。加藤との連携は大学時代の先輩後輩だから問題なさそうなので、あとはトップに入る外国人との関係かな。個人的には1トップ、あるいは加藤との2トップを望んでるんだけどね。

FWソティリウ・・・C
何やってんだよ。今シーズンの懸念材料がいきなり出た。PK、そして満田からの決定機。勘弁してくれよ。PKだって、全然入る気がしなかった。今シーズンも2桁得点を奪えるようなイメージがまったく湧かないんだよな。

FWビエイラ・・・B
悪くなかったと思う。加藤や大橋との関係もよかった。もっと時間を与えてもいいんじゃないかな。ソティリウでは、ゴール前のクロスに合わせるイメージが起きないんだよね。その点、ビエイラはクロスを合わせるのがうまい。東から何本もクロス入ってるし、ビエイラ先発でもいいのでは。

DH松本・・・???
時間が短いので感想なし。

DH山崎・・・???
時間が短いので感想なし。

2.全体の感想

ともかく新スタジアムの初戦で勝ててホッとしてる。プレシーズンでガンバに負けたから余計に。立ち上がりは正直なところやばかった。うまく浦和のプレスにはめられた。特に2CBとボランチの外国人は強力で、自由に試合をコントロールされた。そしてサンタナの高さと強さにてこずった。が、15分あたりから少ないタッチのパス交換が決まり始めて、浦和のプレスをかいくぐりだした。このあたりは、監督が代わり、メンバーも大きく変わった浦和に比べて、ほぼ同じメンバーで2シーズン戦い続けている広島にはアドバンテージがある。これを見る限りでは、今シーズンも上位争いをすることは間違いなさそうだ。

ただ・・・得点力不足は、今シーズンも抱えそうな悩みとなりそう。昨シーズンは途中加入の加藤に救われた。今シーズンもいきなり新加入の大橋に救われた。正直言って、あとの連中は何をやってるんだ、と。ミドルシュートの質、クロスの質・・・あまり進歩を感じないな。ここは個々の問題だから、もっと追求してほしい。

全体的にはミシャがよくボヤいていた「安いミス」はほとんどなく、全員がハイレベルのプレーを見せていて気持ちがいい。だけど優勝を狙う「常勝軍団」になるためには、もっと確実に勝てるだけの「攻撃力」を身につけないと。かといって「個」だけで得点を奪うようなチームではないので、選手間の連係を高めていくしかない。実際、この試合でも「勝利の女神」がちょっと「気まぐれ」を起こしていたらスコアは逆になっていた可能性があった。J1レベルでは、どのチームにも「得点のチャンス」は数回作るチカラはある。その「偶然の一発」で負けていては優勝は望めない。多少の「運のなさ」くらいはひっくり返せる得点力はほしいものだ。

何にしても「いいスタート」は切れたし、確実に「上位を狙える」チーム力は示せたと思う。このパフォーマンスを基準として、「プラス」できるのか、「現状維持」なのか、「マイナス」に陥るのか・・・不安でもあるし、楽しみでもある。


【2024/2/3】

[アジア杯] 日本 1−2 イラン

■得点
日本  27分 守田→上田→守田
イラン 54分 カウンター
イラン 93分 板倉PK献上

■メンバー
      上田
  前田  久保  堂安
    守田  遠藤
伊藤  冨安  板倉  毎熊
      鈴木

前田 → 三笘
久保 → 南野
守田 → 浅野
上田 → 細谷

1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK鈴木・・・A
今までと比べると安定していた。特にロングパス、ミドルパスの精度は高かった。この日に関しては彼に責任はない。大会全体を通してはミスも多かったし、反省すべきところも多かった。激しく批判を受けたことも代表選手として避けては通れないところ。クラブに戻って、もっと成長してほしい。

DF冨安・・・A
全体的に安定していた。ただしラインコントロールがずれる場面も多かった。そこは課題。ああいうロングボールを蹴りこんでくるチームも、アジアには多い。それを弾き返せたり、ラインコントロールで封じ込めないと、こういう不安定な試合に持ち込まれてしまう。吉田がいた頃は、ここまで空中戦に苦労することはなかった。冨安は勝てても、それ以外のところで負けている現実を直視するしかない。あと板倉がアズムンとのマッチアップで完敗していたので、左右が入れ替わってもアズムンに冨安がついた方がよかったのかもしれない。

DF板倉・・・C
気の毒ではあるが、今日は彼の日ではなかった。ひとつ前の試合の負傷の影響でもあったのだろうか。アズムンとのマッチアップは完敗だった。空中戦でほとんど勝てていない。また体を入れようとして入れ替わられて背後を取られるシーンも目に付いた。彼自身は全力で戦っていると思うので、そこは彼自身がレベルアップするしかない。イランが何を狙っていたのかわからないが、「冨安を外して板倉を狙う」ことを徹底してやってるとしか思えなかった。彼がもっと個人として成長するか、あるいは別な選手が台頭してくるか、日本代表の未来はどっちかしかない。もっと大きなクラブへ移籍して、厳しい経験を積んでほしい。

DF毎熊・・・B
1回しか攻撃に参加できなかった気がする。うまくはまらなかった。また最後のPKを献上したシーンでは、ハイボールの競り合いに負けた。菅原なら勝てた、とは思わないが、やはりアジアの戦いになれば空中戦は避けては通れない。彼にもレベルアップを期待したい。

DF伊藤・・・B
まあ想定通りのプレーだった。良くもなし、悪くもなし、というところかな。ドイツでの活躍を見ていると、やはり伊藤にはミドルシュートを期待したい。そういう武器をしっかり磨いてほしい。

DH遠藤・・・A
彼自身の問題は感じない。ただキャプテンとして、試合の運び方のコントロールは改善してほしい。失点シーンから、明らかにイランに押し込まれた。丁寧なビルドアップも必要だが、あいてを勢いづかせるような攻撃を繰り返していたことも事実としてある。ベンチ指示を待つまでもなく、ピッチ内の選手で改善できることはあったと思う。ピッチ内の指揮官として、もっとリーダーシップを期待したい。

DH守田・・・A
得点シーンは彼の特長がよく表れたシーンだった。全体的なプレーにも問題は感じない。ただ失点シーン以降、あまりボールに触れなくなってしまった。そこからイランに押し込まれる試合展開に陥ってしまった。現時点では、遠藤と守田のダブルボランチが一番安定していることは間違いなく、このメンバーで負けたのなら「力不足だった」としか言いようがない。ともかく「パワープレーに屈した」ことよりも「2点目が取れなかった」ことがすべてだと思う。2失点程度で負けるようでは目指すところには届かない。

SH前田・・・S
彼の守備がなかったら、もっと醜い結果になっていたかもしれない。日本代表が目指している理想のサイドアタッカーではないかもしれないが、前線の守備も含めて価値がある選手であることを証明した。

SH堂安・・・B
がんばってはいたが「消えている」時間が長すぎた。やはりボールに触ってリズムをつかむタイプだと思う。右サイドの高い位置に張り出しすぎて、ボールが回ってこない状況が多かったように思う。久保のように、もっと広範囲に動いてもいいのでは。ちょっと残念だった。

OH久保・・・B
シュートを撃てるゾーンへ入る回数が少なすぎた。結局、右足で1本しかシュートを撃てていない。ボールタッチは多かったが、それがチャンスにつながっていない。やはり彼はバイタルエリアでボールを扱わないと。2列めの他のメンバーとの関係をもっと高めてほしい。

FW上田・・・A
彼自身は高いレベルのプレーができていたと思う。久保からのクロスのヘディングなど、ハイレベルなプレーが出ていた。気になったのは、もっと彼に対してシンプルなクロスを入れてもいいのではないかということ。ベルギーやオランダで、あれだけやれているわけだから、単純なクロスでも十分チャンスを作れると思う。仮に彼に合わなくてもセカンドボールから2次攻撃してもいいし。この試合でも、何度も何度も動き出しをしているが、そこへほとんどボールが出てこない。また彼のまわりでこぼれ球を拾える選手も少ない。南野はわりと近い位置に入ってくるが、久保や堂安はバイタルの外側にいることが多い。この試合も前半は圧倒的にボールを支配しながら、ほとんどペナの中にボールが入っていない。相手守備陣を下げさせるためにも、シンプルに彼を狙ってクロスを撃ち込んでほしい。

SH三笘・・・B
悔やむとすると、後半頭から三笘を投入してほしかった。失点後の投入になったが、イランが勢いづいている時間帯になってしまい、高い位置でボールを受けれないし、味方のサポートも少ない状況でプレーするしかなかった。結果として守備に追われる状況に陥り、自陣深い位置からドリブルで仕掛けるのも難しかった。あれがイランが引いて守っている状況であれば・・・チンチンにできたと思うが。

OH南野・・・B
流れを変えるどころか、ほとんどボールに触ることなく終わってしまった。彼は「セカンドストライカー」として存在感が発揮できる選手。特に相手を押し込んでいる状況で、バイタル付近で勝負できる選手だと思う。相手がパワープレーに出る前にピッチに立たせたかったな。

2.全体の感想

はっきり言って、アジア杯に何の興味もないので「さっさと終わってよかった」と思ってる。監督経験者の立場で言うと、「全部の大会に勝ちに行く」と理想のチーム作りはできない。どこかで「捨てる大会」「チャレンジする大会」が必要となる。日本代表の最終目標は、間違いなくワールドカップ。そこでトップを目指すためには、今のうちに「弱点を明確にする」ことの方が重要。また「世界との闘い」と「アジアでの戦い」は立場と相手のレベルが違う。世界で同クラスや格上の相手であれば、あんな単純な放り込みはしてこない。けれど、アジアならああいうパワープレーが多くなる。アジアで予選を戦う以上、ああいう単純なパワープレーに屈していては未来はない。吉田麻也は、トップリーグのスピード重視の戦いでは年齢的に厳しくなっていたが、空中戦は強かった。なので、高さの吉田とスピードの冨安のコンビは最強だった。また吉田と板倉のコンビも悪くなかった。ところが吉田が抜け、板倉が吉田と同じ役割を担えているかというと、それは厳しい。今回「高さ」の部分で弱点を露呈した。しかも単純な高さというより、競り合う前の「ポジション取り」のフィジカルコンタクトで完敗してしまった。これは如何ともしがたい。さらにラインコントロールの主導権は冨安が握っていたと思うが、そこが遅れたり、後手を踏んで背後を取られたりと、不安定さ満載だった。現時点では冨安は確定で、板倉、谷口、町田、渡辺が選択肢だとは思うが・・・今回の試合を見る限り、町田と板倉のレベルアップを期待するか、経験値の高い谷口を吉田のリベロ的な守備リーダーとして、冨安をエースつぶしにあてた方がいいのではないかと思う。ともかくワールドカップ2次予選に向けて、ここで課題が明確になったことはよかったと考えるべきである。

イラク戦は見ていないのでわからないが、イラン戦の隠れた課題は「得点力不足」だ。前回ワールドカップが終わって、そこから強豪相手に4点以上連続して奪っていたので、この状態は想像できていなかった。けれど相手チームも研究してきて、単一的な攻撃は抑えられるようになってきた。もう一度、攻撃に関して再考するチャンスだと思う。例えばイランの場合、常に前線に2枚残して、ロングボールを蹴りこんでセカンドを拾い、そこからサイドへ展開し、ゴール前に3枚入れてクロスを競り合う形のワンパターンしかなかったけど、それでも結果的に2点取った。逆に前半など圧倒的にボールを支配し、少ないタッチで次々とボールを動かしてはいたけれど、相手のバイタルやペナの中にはほとんど進入できず、シュートも少ない。守田の得点以外で一番のビッグチャンスは、久保が左サイドに開いてボール受け、そこからいきなりクロスを入れて上田がヘディングで合わせたシーンだった。つまり上田のゴール前「ターゲット」としての価値はかなり高いということ。これをほとんど活かせていないことは問題だと思う。きれいに崩せれば一番いいのだが、そればっかりだと相手の守備は崩れない。何本かシンプルなクロスを入れることで、相手のラインが下がり、バイタルでセカンドを拾ってシュートに持ち込むチャンスができる。実際、イランはそういう攻撃からかなりの本数のシュートを放ってる。きれいごとが多すぎるサッカーは、意外ともろい。アジア杯でも、重要な得点は中村や毎熊のミドルだったりする。「チャンスを作る」ことも大事だが、「シュートを撃つ」ためにどんな攻撃をするのかを追求することも大事だと思う。となると、どんなメンバーを起用するのか組み合わせも再考する必要があるような気がする。久保と堂安の同タイプの選手を起用すべきなのかどうか。彼らはボールをタッチしてリズムを作る選手だから、ペナの中で勝負するより、バイタルの外側でプレーする方が多い。そうなると上田が孤立してしまう。今は守田がそれをカバーしているように見えるが、守備にも下がる守田に依存するのもどうかと思う。だとすれば、トップ下の中央は鎌田や南野、旗手がベターな気がする。久保と堂安、三笘と伊東、中村はやはりサイドでドリブル勝負できるポジションが理想ではないか。5人を同時起用は難しいが「メッシが11人いても」と同じで、よりベターな選択をするしかないのではと思う。ファン心理ではスター選手を並べたがるものだが、あくまでも「勝利優先」に徹するしかないので、割り切って考えるしかないと思う。

ともかく1人のサッカーファンとしたら、これでやっとJリーグも含めて世界各国のリーグ観戦に集中できるからうれしい。ホッとしている。


【2024/1/1】

[親善試合]日本 5−0 タイ

■得点
日本 50分 堂安→伊東→田中
日本 71分 中村→佐野→南野→中村
日本 74分 CK堂安→細谷→OG
日本 81分 菅原→堂安→菅原→川村
日本 89分 南野→堂安→南野

      細谷
  奥抜  伊藤  伊東
    田中  佐野
森下  町田  藤井  毎熊
      鈴木

■交代
45分 伊藤→堂安
45分 奥抜→中村
67分 伊東→南野
67分 森下→三浦
77分 毎熊→菅原
77分 田中→川村


1.個々の感想(満足度・・・S>A>B>C>D)

GK鈴木・・・B
ほぼ出番なし。ただし最終ラインでのボール回しに不安は見られた。特にアプローチしてくる相手選手との距離が近すぎやしないか。慣れないメンバーということもあって判断の遅れが気になった。

DF町田・・・C
安心感は抱けなかった。簡単なロングボールやクロスボールに対して、タイ選手に対しても「圧倒した」感じはなかった。結局、競り合ったボールがペナルティエリア内で相手にわたってピンチを招く場面もあった。攻撃面では、ボールをGKへ戻すシーンが多く、縦につけることができていなかった。また最後尾でのパス回しの距離が近すぎる感じも受けた。

DF藤井・・・C
最後まで「不安」はぬぐえなかった。タイだったから・・・みたいな感じ。もう少しレベルアップしないと、板倉、冨安との差を埋めることはできない。

DF森下・・・B
がんばっていたとは思うが、効果的な攻撃はできていなかった。残念ながら奥抜とのコンビネーションがよくなかった。右サイドに比べて、左サイドの攻撃は停滞していた。奥抜が中村に代わって改善はできていたが。

DF毎熊・・・B
伊東とのコンビネーションは悪くなった。が、クロスに対する細谷や伊藤とのコンビネーションがよくなかった。何本かクロスを入れているが、ほとんどチャンスにつながっていない。

DH佐野・・・B
立ち上がりはパスミスも多かった。なにか手探りでやってる感じだった。常連メンバーが次々と出てくるようになって、プレーがスムーズになった。

DH田中・・・B
よくもなく悪くもなく、って感じ。やってたことはいつも通りだったけど、周りとの関係性ができていないから、様子を見てる感じだった。伊藤が動くエリアが狭いため、入っていくゾーンがなかったのかもしれない。堂安が入って、シャドーがサイドへ流れるようになって、やっとゴール前に入れるようになった感じ。欲を言えば、引いた相手に対して中長距離のシュートがほしかった。

SH奥抜・・・C
いきなりで期待するほうが無理かも。なんせ比較する相手が三笘や中村になる。個で局面打開する選手が標準になっているので、きびしい。それでも縦への突破や中央へのカットインにトライしてほしかった。ちょっと、しばらくないかな。

SH伊東・・・A
何とかしようと1人もがいていた感じ。チャンスの割にシュートが少ない試合展開。「強引」な感じの選手がいなかった。だから、伊東がやるしかなかった。その中でも、細谷、毎熊とのコンビネーションはよかった。まあ、まわりに流された感じで気の毒だった。

OH伊藤・・・C
誰もが期待していたが・・・期待に応えることができなかった、ということ。まあ、久保だって最初からうまくいったわけではない。気になったのは動きの幅。あまりサイドへ流れないから、ダブルボランチが入っていくスペースがない。またクロスに対して、まったく脅威になれていない。ワンタッチプレーが少なく、リズムの変化を作れなかったことは大きな課題だと思う。

FW細谷・・・C
あれだけサイドからクロスが入っているのに、ほぼチャンスらしいものが作れていない。「上田や古橋だったら」と考えてしまった。また伊藤、伊東、堂安、南野などバイタルの外側からドリブルしながら進入してくる味方に対して、うまくワンツーでサポートすることもできていなかった。自分がシュートを狙うことも重要だが、2列目から入ってくる味方へシュートを撃たせることも重要だと思う。

OH堂安・・・A
伊藤と比べてワンタッチプレーが圧倒的に多い。そのことでタイの守備陣に態勢を整える時間を与えない。交代以降、明らかにリズムが変わった。

SH中村・・・S
1対1で相手を圧倒するドリブルも見事だったが、それよりも狭いところを次々と通してくるパスが圧巻だった。あれでタイ守備陣の組織が完全に崩れた。彼が入っての5得点は、大げさではなく中村の功績が大きい。

OH南野・・・A
南野が中央へ入って、堂安がサイドに出たようだ。ともかく伊藤との大きな差は、その動くエリアの広さ。両サイド、FWを追い越す動きなど、スペースを見つけるのがうまい。代表クラスになれば、その動きを見逃さずにパスが出る。あれを外したのはご愛敬だが・・・最後はきっちり決めて見せた。

SB三浦・・・C
気負いすぎかな?正直なところJ1での実績はなく、まだ未知数。それでも代表スタッフが確認して招集したのだから、原石なんだろう。そういえば、冨安も日本ではJ2の経験しかない。これからですよ。

DH川村・・・B
得点のシーンは、まあいつもの川村。ただしすでにタイが壊れていた時間だから、というのもある。サンフレでは決めれんのに、代表では決めるんかい。あとさ、もう1点取れてたやろ・・・もったいない。それでも、いいスタート切れたことは事実だ。

SB菅原・・・A
もう安心して見れるレベルになってる。堂安とのコンビネーションもバッチし。


2.全体の感想

新メンバーが多く、完全な「選手選考試合」になったから、前半のグダグダはしかたない。ただ「才能がない」のか「出し切れなかった」のか、そこはどうなんだろう。

守備は、立ち上がりに2回裏を取られてピンチを招いてことで、なんか怖がっている感じがした。また板倉、冨安、遠藤、森田なら、ダイレクトで前線の選手に繰り出すような場面で、一回一回ボールを止めるから「矢印」が前に向かずにGKへ戻してしまうシーンが多かったように思う。レギュラー陣のボール回しがハーフライン付近なのに対して、この試合は自陣ペナルティエリア付近まで下がってしまった。もっとダイレクトパスを駆使して相手のアタックを無力にし、ここのラインを押し上げれるように、もっと経験値を上げる必要がある。

攻撃は、やはり「リズム」だと思う。前半は「停滞」が多く見られた。後半は「ボールが止まらない」シーンが多かった。ここは「手探り」では期待できない。経験値をあげて、受け手と出し手の連携を高めるしかない。

日本代表のチーム作りとしては、悪くない。今回「ダメ」だったから「ダメ」ではない。久保だって最初は異端児でワールドカップ時点ではまわりとかみ合ってはいなかった。森田だって不安定だった。けれど代表で試合を重ねていく中で、自分のスタイルを構築していった。これから多くの大会や試合があり、固定メンバーだけでは戦えない。メンバーが3チーム分いたら「安心」ではない。3チーム分のメンバー全員が、チーム内で融合できないといけない。今回、そこのチェックができた。前半は「地獄」、後半は「天国」。2024年のスタートとしてはよかったと思う。


2023/12/31】

[高校サッカー選手権2回戦]岡山学芸館 2−1 尚志

立ち上がりは出足いい学芸館のペースだったが・・・年代別代表がゴロゴロいる尚志が、プレスをうまくかいくぐってペースを握る展開へ。

開始1分のポスト直撃のシュートで流れをつかんだ学芸館だったが、尚志7番の京都サンガ内定のドリブラーに翻弄されてから受け身の状態になった。そしてその7番のサイドに気を取られて反対サイドにフリーが生まれ、そこから失点。開始4分での失点はきつい感じがしたが、逆に早めの失点だったからよかったのかもしれない。

ベンチから見てる感じだと、タレントの豊富さから立ち上がり10分くらいで「尚志有利」の雰囲気は出ていたと思う。実際、2点目が入っていたら試合は決まっていた。ただし、ここから経験が生きてきた。昨年度優勝していない学芸館だったら、おそらく持ちこたえられなかった。けど、昨年度同じような試合展開ばかりで、競り勝ってきた学芸館。しかも「早めの2トップへ当ててセカンドボールを拾う」試合運びしかできないから、迷いもない。ともかく「走って」球際で人数をかける。今時珍しい「シャツをインする」まじめで馬鹿正直な試合運びを繰り返し、走力で強豪と勝負する。それが尚志にボディブローのように効いてきたように思えた。

尚志サイドからすると「PK戦になるのは嫌だ」という雰囲気だったと思う。一方学芸館サイドは「PK戦に持ち込めたらラッキー」のような雰囲気だった。同点に追い付かれて、そんなイライラが尚志の選手に見られた。1対1なら圧倒的に優位だが、学芸館は常に2〜3人が寄せてくる。それでも緩急をつけてテンポを変えてくる尚志の「見ていて楽しいパスサッカー」はすばらしかったと思う。

もちろん学芸館も「中盤でつなぐサッカー」もできると思う。そういう場面も何度か見られた。だが・・・シュートカウンターのリスクを負うそのスタイルを、あえて避けていたのではないかと思う。それがうまくはまっていた。

尚志にとって学芸館の20番2年生の香西は嫌だったと思う。ともかくガツガツ。エリート集団の尚志にはいないタイプ。とにかく「がむしゃら」。これまた今時の高校サッカー選手には珍しい。でも。これは効いていた。個人的にMVPをあげるなら、この子にあげたい。

こういう流れの中からワンチャンスを活かして、同点。昨年もがんばっていた鹿児島からやってきたドリブラー木下が決めた。これで尚志は焦って、学芸館は精神的な余裕と自信を取り戻した。出足と運動量で、学芸館が尚志のうまさを上回ってきたように見えた。

後半15分、前線から最終ラインまで孤軍奮闘していた香西が体力の限界を迎えてアウトした。これで流れが変わるのではないかと危惧したが・・・「これしかない」チームのすごさというか、ますます球際のアプローチが激しくなっていった。そして後半29分、尚志のDFがクリアにもたついたミスをついて、再び木下が決めた。尚志としては一番やりたくない試合展開になった。タレント豊富で足元のレベルが高いがゆえに「クリア」を躊躇する傾向が生まれる。この同点の状況で、それが出てしまった。プレミアリーグEAST準優勝の尚志だからこそ、生まれた失点ともいえる。

こうなると完全に学芸館の流れ。昨年度の焼き直し。やるべきタスクをひたすら実行するだけ。これがトーナメントの恐ろしさともいえる。

結局、優勝候補筆頭といわれた尚志は勝てなかった。学芸館が勝ったというより「尚志が勝てなかった」試合だったと思う。




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